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2025.07.04
沖縄県の結婚式の伝統やしきたり。一般的な結婚式、リゾートウェディングとの違いについて解説
沖縄で旅行を兼ねたウェディングフォトを考えるとき、「気候が安定しているのはいつ?」「旅行費用を抑えられる時期って?」「混雑を避けてのんびり撮影できるタイミングは?」と、時期選びに悩む人は多いはず。そこで今回は、沖縄旅行とウェディングフォトを一緒に楽しむためのベストシーズンや、意外と狙い目な穴場時期、さらには雨や台風が多い時期の注意点とその過ごし方まで、詳しく解説します。
沖縄の結婚式は招待人数や席次、余興の規模などの点で本土と大きな違いがあります。
沖縄の結婚式は家族や地域とのつながりを大切にしており、自由で温かい雰囲気が魅力です。
今回は、沖縄と本土の結婚式で異なるポイントやそれぞれの進行について紹介します。沖縄の伝統的な演出や、リゾートウエディングで沖縄文化を取り入れる方法も紹介しますので、現地での結婚式をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
沖縄の伝統的な結婚式と本土の結婚式の違い
沖縄の伝統的な結婚式と本土の結婚式には、大きな違いがあるのをご存知でしょうか。
沖縄と本土の結婚式は、文化や伝統に根ざした独自の特徴を持っています。自然豊かな沖縄の風土や歴史的背景から生まれた伝統的な結婚式は、本土の式とは異なる独特の魅力と儀式を持ち、両者の違いは新郎新婦の家族や地域の文化を色濃く反映しています。
今回は以下の3つの項目について、それぞれの違いを紹介します。
結婚式のスタイルと進行
沖縄と本土では、結婚式のスタイルと進行が大きく異なります。結婚式や準備段階で異なる項目を、以下の表にまとめました。
-
- 沖縄の伝統的な結婚式
- 本土の結婚式
- 結納
- ・半端な金額(99万5005円など)を包む傾向にある
・家や地域によっては満潮〜干潮の時間帯に合わせる - ・50万や100万などキリの良い金額を包む
・近年は結納を行わない家庭が増加傾向にある
- 招待客の人数
- ・200名〜300名と大所帯
・親戚や友人だけでなく、両親の知人、近所の人まで幅広く招待する - ・40名~70名程度を招く場合が多い
・親族や親しい友人、職場関係が中心
- 招待の仕方
- ・口頭や手渡しが多く、案内状に出欠確認欄がない
・直前や当日参加・不参加もOK - ・郵送で招待状を送り、返信ハガキで出欠を確認する
・最近はWeb招待状も人気
- ご祝儀の金額
- ・友人、職場関係などは一律1万円が主流
・親族は5万円〜10万円程度 - ・友人3万円、上司5万円
・親族5万円〜10万円が一般的
- 席の配置
- ・家族、親族は新郎新婦に近い席で友人は末席
・家族、親族を最も大切にする配置 - ・友人、上司が新郎新婦の近くに座る
・家族、親族は末席
- 余興用の舞台
- ・会場に余興専用の舞台が設けられているのが一般的
- ・会場内の空いているスペースで行う
- 余興の数
- ・一般的に4回〜9回行われる
・友人や同僚だけでなく親族も参加する - ・1、2回が一般的
・最近は余興を行わない新郎新婦も増えている
ゲスト衣装や装飾
沖縄の結婚式に参列するゲストの衣装は、本土と同様スーツやフォーマルドレスを着る人が多いですが、かりゆしウェアやアロハシャツ、花柄ワンピースなど、南国らしいカジュアルな服装も人気です。
新郎新婦も沖縄の伝統衣装である琉装や、かりゆしウェア、リゾートドレスを選ぶ場合もあります。
本土の結婚式の装飾は、会場や新郎新婦の意向によって異なりますが、一般的には季節やテーマに合わせた花、小物を飾る人が多いです。
一方沖縄ではハイビスカスや琉球ガラス、シーサーといった沖縄らしいアイテムが使われます。
装飾は本土も沖縄も比較的自由度が高いため、好みやテーマに合わせて選べる点が特徴です。
料理や引出物の文化
沖縄では引出物は基本的に1人につき1品のみ贈り、予算も1,000円〜1,500円程度と控えめです。本土では夫婦や家族で出席した場合、1家族で1つの引出物ですが、沖縄は1人ずつ用意します。
本土の結婚式は「引出物+引き菓子+縁起物」の3品セットが主流で、金額はご祝儀額の10分の1程度で用意します。例えば3万円のご祝儀をいただいた場合、引出物の金額は3,000円程度です。
料理の提供方法も大きな違いがあります。
沖縄では、郷土料理を中心とした大皿料理を円卓でシェアするスタイルが一般的です。1つの料理を皆で取り囲み、賑やかに食事を楽しみます。
一方本土ではフレンチのフルコースを提供する会場が多いです。レストランウエディングなどではイタリアンを提供する会場もありますが、基本的には個別で料理を用意します。
飲酒のタイミングも異なり、沖縄では開宴前からビールが振る舞われ、席に着いた時点で自由に飲み始めるゲストが多いです。本土では乾杯の挨拶後に飲み始めるのが一般的で、進行に合わせてお酌や歓談が始まります。
沖縄の結婚式の伝統的な演出
沖縄の結婚式では、島の豊かな伝統文化が色濃く表現されます。琉球の歴史と伝統に根ざした独自の演出は、音楽、衣装、儀式において、本土とは異なる魅力的な要素で彩られ、新郎新婦の門出を祝福する特別な空間を創り出します。
ここからは、沖縄の結婚式でよく行われる伝統的な演出を3つ紹介します。沖縄での結婚式をお考えの方は、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
かぎやで風など三線の演奏
沖縄の結婚式の伝統的な演出として「かぎやで風」や三線の生演奏は欠かせません。
「かぎやで風」とは、琉球古典音楽を代表する祝儀曲で、両家の繁栄や長寿への願いが込められています。座開き(披露宴の始まり)の合図として踊られることが多く、プロの舞踊家に踊りを依頼する場合もあります。
三線は沖縄の伝統楽器で、三味線に似た形をしているのが特徴です。三線は沖縄音楽に欠かせない楽器で、かぎやで風だけでなく島唄や沖縄民謡でも使われます。
かぎやで風など三線の演奏は単なる演出ではなく、感謝や祝福、地域とのつながりを表現する意味合いを持っており、沖縄の結婚式において重要な役割を担っているのです。
エイサーやカチャーシーの踊り
沖縄の結婚式は余興が多いことで知られていますが「エイサー」と「カチャーシー」は、ほとんどの結婚式で踊られています。
エイサーは、もともとお盆にご先祖様を供養するための念仏踊りとして始まりました。太鼓や三線、掛け声とともに大人数でダイナミックに踊られ、会場は大いに盛り上がります。
カチャーシーは沖縄の方言で「かき混ぜる」という意味を持ち、披露宴のクライマックスにゲスト全員で踊るのが一般的です。老若男女問わず新郎新婦、ゲスト全員で喜びや幸せを表現します。
エイサーとカチャーシーは沖縄の結婚式に欠かせないものであり、祝福の気持ちや地域のつながりを体現する温かい演出として根付いています。
沖縄の伝統的な結婚式の流れと一般的な結婚式の流れ
沖縄の伝統的な結婚式の流れと、一般的な結婚式の流れについて解説します。
それぞれの流れの特徴を知って、ぜひ取り入れたい演出などを考えてみてください。
沖縄の伝統的な結婚式の流れ
沖縄の伝統的な結婚式は、地域文化や家族の絆を大切にした独自の流れと演出が特徴です。
伝統的なのは「琉装式」と呼ばれる伝統衣装をまとった挙式で、新郎は黒、新婦は赤や黄色などの鮮やかな伝統衣装を身につけ、清め払いの儀式を行います。
その後、聖水を額につけて未来の幸せを祈願し、古典音楽や三線の生演奏が流れる中で三々九度や指輪交換、誓いの言葉の読み上げ、結婚証明書への署名の順で進行します。
所要時間は20分ほどで、スピーディーに進む点がポイントです。
披露宴は挙式の厳かな雰囲気から一転して、沖縄ならではの盛大でアットホームな雰囲気に包まれます。
開宴前からビールが振る舞われ、ゲストは自由に飲みながら歓談を楽しみます。会場には余興用の舞台が設けられ「かぎやで風」や三線の演奏、エイサーなどの伝統芸能で会場を盛り上げるのがポイントです。
クライマックスはゲスト全員で「カチャーシー」を踊り、喜びと祝福を分かち合います。
最後に新郎新婦や両家がゲストに向けて感謝の言葉を述べ、和やかな雰囲気で披露宴はおひらきです。
沖縄の結婚式は伝統と家族やゲスト、地域の絆を大切にした進行が特徴です。
一般的な結婚式の流れ
一般的な結婚式は「挙式」と「披露宴」の二部構成で進行します。
挙式は宗教上の理由や新郎新婦の意向などをもとに、キリスト教式・人前式・神前式などのスタイルから自由に選択が可能です。
選択するスタイルによって進行は異なりますが、今回は人前式の流れを紹介します。
1. 新郎新婦入場
2. 誓いの言葉
3. 指輪交換
4. 誓いのキス
5. 結婚証明書に署名
6. 退場
所要時間もスタイルによって異なりますが、30分〜40分が一般的です。
挙式後は披露宴が始まります。新郎新婦の入場後、司会者による開宴の挨拶や祝辞があり、乾杯の発声へと続きます。乾杯後はコース料理を楽しみながら、ケーキ入刀やお色直し、余興など、自由度高くさまざまな演出が行われるのがポイントです。
終盤は両親への手紙朗読や記念品贈呈、新郎新婦や両家代表の謝辞をもっておひらき、ゲストを見送ります。
披露宴時間は2時間〜2.5時間が一般的で、近年は格式や伝統を大切にしながらもゲストや家族への感謝を伝える温かい雰囲気の進行が人気です。
沖縄のリゾートウエディングの特徴
沖縄で結婚式をお考えの方に向けて、リゾートウエディングの特徴を4つ紹介します。
本土ではなかなか見られない美しいロケーションや、さまざまな魅力を持った会場が多くあるため、ぜひ参考にしてみてください。
美しい海と自然に囲まれたロケーション
沖縄のリゾートウエディングは、青い空と透き通った海、真っ白な砂浜など圧倒的なロケーション美が最大の魅力です。リゾートウエディングならではの少人数だからこそ実現できる、自然との一体感を体験できます。
本土ではなかなか味わえない美しい海のもとで挙げる結婚式は、まるで映画のワンシーンのよう。ビーチやガーデン、崖の上など絶景を背景に、フォトジェニックな写真や動画をたくさん残せます。
沖縄の「なんくるないさ(なるようになる)」という自然体の精神が、海風と潮の香りに包まれた開放的な空間で自然に表現されます。格式を重んじる伝統的な披露宴とは異なり、自然の中での挙式は新郎新婦とゲストが心から寛いで祝福を分かち合える環境を提供します。
緊張しがちな結婚式ですが、沖縄ならではの開放的な雰囲気ならリラックスして本番を楽しめるでしょう。
チャペルやヴィラなど多彩な会場
沖縄には美しい海や山など、自然を最大限に活かした多彩な会場が揃っています。リゾートウエディング向けの会場についても、琉球文化が大切にしてきた「自然との調和」という価値観を現代建築で表現しています。
例えば全面ガラス張りで空と海が一体になったような開放感あふれるチャペルや、南国の草木に包まれたガーデンチャペルなど、沖縄ならではの絶景をバックに結婚式を挙げられるのが魅力です。
また、プライベート感あふれるヴィラやスイートルームでのパーティーも人気です。プライベートヴィラでのパーティーは、家族や親しい人との絆を大切にする沖縄の文化にも通じる、心温まるひとときを演出します。伝統的な沖縄の結婚式では大規模な祝宴が一般的ですが、リゾートウエディングのように少人数のパーティーでは、本当に大切な人たちとより深いつながりを育むことができます。
沖縄のリゾートウエディングは、非日常感たっぷりの多彩な会場の中から理想のスタイルを選べる点がポイントです。
沖縄文化を取り入れた演出
沖縄のリゾートウエディングでは、沖縄文化を取り入れた演出も多く見られます。
たとえば「かりゆしウェア」をドレスコードに指定してゲストに着用してもらう演出が人気です。南国らしい明るい色とデザインで会場全体が華やかになるだけでなく、ゆったりした服装なのでゲストもリラックスして結婚式を楽しめます。単に南国らしさを演出するだけでなく、参列者全員が沖縄文化の一部となり、島の温かな人情を共有する意味深い演出となるでしょう。
伝統式では地域の郷土菓子が大皿で提供されますが、リゾートウエディングでは紅芋タルトやサーターアンダギーなどの沖縄郷土菓子を個別にラッピングしたプチギフトとして贈ることで、参列者が自宅に帰ってからも沖縄の味と思い出を楽しめます。
せっかく沖縄でリゾートウエディングを挙げるなら、ぜひ文化を取り入れた演出を検討してみてください。
少人数制や家族婚に対応したプラン
沖縄の伝統的な結婚式における200名〜300名という規模は、「地域共同体(シマ)」全体で新郎新婦を支えるという琉球文化の表れです。一方、リゾートウエディングの少人数制は、家族や親しい人との絆を大切にする沖縄の文化とも調和し、より深い結びつきを感じられるアプローチといえます。
沖縄のリゾートウエディングでは新郎新婦ふたりだけや家族、親しい友人のみを招待するスタイルが主流で、10名〜20名程度のアットホームな結婚式が叶うプランが充実しています。
少人数婚や家族婚は、準備や打ち合わせの時間がかからない点も魅力です。
通常本土の結婚式は、挙式の4ヶ月前から打ち合わせが始まり、回数は4回〜7回が一般的です。衣装や料理などの進行に必要な項目からペーパーアイテムの準備までやることが多く、仕事や家庭との両立が大変という人もいます。
一方、沖縄のリゾートウエディングの打ち合わせ回数は、2回〜3回です。遠方でも本土の支店やオンラインで打ち合わせが行えるため、効率よく準備を進められます。
また挙式前後には沖縄観光やアクティビティを楽しめるので、結婚式と旅行を兼ねて思い出作りができるのも、沖縄のリゾートウエディングならではの魅力です。両親への恩返しとして、挙式後の沖縄旅行を楽しんでもらうのも素敵ですよね。
<著者プロフィール>
いけだあかり
【経歴】
ウエディングプランナー10年目。「アールイズ・ウエディング」のプランナーとして沖縄・ハワイ・グアムの結婚式を200件以上担当したのち、全国約30店舗の旅行会社でリゾートウエディングを提案・販売する。これまで関わってきたカップルの数は1,000組以上。また、自身も沖縄で結婚式を挙げる。プランナーと卒花の経験を活かし、現在はWebライターとしても活動。ウエディングの記事執筆を担当する。
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